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宇宙の片隅の記

なんについてのブログかよくわからないブログ

【コラム】暴君トランプとビッグブラザー

政治 コラム 思索・考察

長い文章を書くのは大変なので、時に短い文章もコラムとして書くことにしました。 

ヒロ・マスダ / Hiro Masuda on Twitter: "『サウスパーク』創作者がトランプ政権の風刺はやらないとコメント。理由「風刺を現実にやってしまっているから笑えない、コメディとして難しい」

 大塚英志の『サブカルチャー反戦論』を読んでいたら、この本の発売当時のイラクジョージ・W・ブッシュ大統領の話が出てきた。それで当時のことを思い出したのだが、さて今やアメリカの大統領はドナルド・トランプである。就任したばかりだというのに入国禁止令を出し、メキシコとの国境に壁を作る準備を始め、排外主義的な政策を続けている。

しかしよくこんな一見わかりやすい暴君が大統領にまでなったものだと感じる。アメリカ・ファーストを連呼したトランプだが、かといってブッシュのようなアメリカの正義を信じているわけではなく、経営者時代からトランプは自ら敵を作り出していく手法だったということで、今も会社経営と同じ感覚で大統領に就いているように見える。もはや信じられていたアメリカの正義ではなく、国家がビジネスと同じ理念でやっていくことになったようだ。

アメリカでは今ジョージ・オーウェルの『1984』が売れているというが、村上春樹の『1Q84』では「この現実の世界にはもはやビッグブラザーの出る幕はない、そのような人物が現れても我々は気をつけろ、あいつはビッグブラザーだと指摘するからだ」といった箇所があった。実際に『1984』に書かれている内容とは違うかもしれないがその通り暴君的な暴君としてトランプが台頭したことは、サウスパーク創作者の言葉通り現実がコミカル(戯画的)なものになってしまったということだろう。

コミカルなものは時にグロテスクと紙一重であり、そうした現実はそれほどわかりやすく把握できるわけではないようだ。だがかつてのようにアメリカはもはや共産圏やイラクといった仮想的国を見出すことができず、隣国や隣人に直接攻撃性を向けてしまっていることだけは確かなようだ。